同じ仕事をするにも、まず「何のために働くのか」を明確に。

先日、外資系の金融会社に勤めている男性とお話しました。

「仕事がきつい、もう辞めたい」と言われていました。よくよく聞いてみると、会社の方針が「減点主義」らしく何か失敗やミスがあると、どんどん点数が減っていくそうです。

それで、みんなびくびくして上司の顔色ばかり伺い、仕事に前向きに取り組めないと言われていました。

確かに人間には怠け者の側面がありますので、厳しい罰も必要かと思いますが、脅かされてばかりでは心が保たないですよね。

加えて、厳しさの中にも「何のために働いているのか」の「働く目的」が明確になっていないと働く意欲がなくなってしまうのではないでしょうか。

 

 

「2人の石切り職人」という寓話を思い出します。

 

旅人がある街を通りかかると、ちょうど新しい聞法道場が建設されているところでした。建設現場では2人の石切り職人が働いていました。

旅人が1人の石切り職人に聞きました。

「あなたは何をやっているのですか」

すると、「俺はこのいまいましい石を切るために悪戦苦闘しているのさ」と答えました。

 

ところが、2人目の職人は目を輝かせてこう言いました。

「ええ、私は人々に本当の心の安らぎを与える素晴らしい建物を作っているのです」

 

同じ仕事をしていても、その仕事の彼方に何を見ているか、が全く違うわけです。

意欲的に働く人は、この「2人目の石切り職人」のような世界を心の中に必ず持っていると言われます。いわゆる「なぜ働くのか」「目的」が明確である、ということですね。

 

これは、仕事だけでなく、私たちの日々の行動、ひいては人生そのものにも当てはまるといわれます。

かの有名なドイツの哲学者ニーチェは、『道徳の系譜』に「なぜ生きるのか」という「人生の目的」が分かれば、「人間は苦悩を欲し、苦悩を探し求めさえする」と書いています。

 

 

人生は素晴らしい、と言う人もいれば、何をやってもむなしい、と言う人もいます。その差とは、真の「人生の目的」を知るか、否かの違いなのかもしれません。