アラフォー・クライシス ~苦しくても生きる意味とは~

アラフォー・クライシスとは、アラフォー世代(35~44歳)を中心に仕事や結婚、介護等について危機的な状況に陥る人が続出している問題です。

テレビのドキュメンタリー番組でも取り上げられ注目を集めています。

なぜそのような問題が起きるのか、また仏教を知る私たちはどのように立ち向かっていったらいいか、今回は掘り下げていきたいと思います。

 

 

アラフォー世代と就職難

ある調査によると、5年前と比べた世代別の月収が、アラフォー世代(35~44歳)だけがダウンしていたそうです。

その大きな理由の一つが、就職氷河期の影響を大きく受けた世代で、給与が低く、仕事が安定しない人が多くあります。

その他にも人生の節目節目でいろいろな社会問題の影響も受けてきました。

2000年(22歳)就職氷河期
2004年(26歳)ワーキングプア
2008年(30歳)派遣切り(リーマンショック)
2018年(40歳)アラフォークライシス

就職活動をしていた2000年頃はちょうど就職氷河期と呼ばれる時代で、希望の職種に就けず、望まない仕事に就いた結果転職をする人が多くなりました。

そのため勤続年数も短くなる傾向にあります。また、正社員の募集も少なく、派遣社員になる人も多かったようです。

加えて、スキルアップや能力開発のための研修の機会が少なく、結果としてキャリアアップが難しくなります。

さらに50代、60代の労働人口も多く、なかなか昇進、昇格ができないことが多くなっています。

 

 

 

うまくいかない転職。「生きていても、価値があると思えない」という声も。

統計によれば、アラフォー世代は、他の世代と比べて労働人口が最も多く、その数は全国で約1500万人。その中で非正規雇用の人口は380万人を超えています。

特に、非正規で働く人が深刻な状況にあります。

ある男性は、有名大学を卒業したものの希望の職に就けず、派遣会社に登録しました。しかし転職を繰り返し、現在は市の臨時職員として働いていますが、給料は手取りで15万円。

有効求人倍率はバブル期を超えていますが、社会の労働環境は大きく変わり、格差も広がっていきました。

ある女性はインタビューの中で、派遣先から一方的に契約満了を言い渡され、仕事が見つからず「生きていても、自分に価値があると思えない。」と言われていました。

 

 

 

この15年、未婚率はアラフォー世代が最も増加。

「30代まで」で区切られてしまうのは、仕事だけではありません。

結婚相手もなかなか見つからず、この15年で未婚率はアラフォー世代が最も増加しました。

転職も多く出会いの少なさ、仕事の忙しさなどで、40代になるまで結婚を考える余裕がほとんど無い場合が多いようです。

研修機会が少ないため、何か資格を取るためにプラスαで勉強しなければなりませんが、それにもお金と時間がかかります。

自分の経済事情も苦しいため相手に求める収入も高くなる傾向にあり、マッチングも難しくなります。

さらに、アラフォー世代は親の世代が70代に差し掛かり、怪我や病気等で介護が必要な家庭も増えています。

一人暮らしや結婚も難しいため、親との同居。両親とも退職して家計は年金頼み。となれば、親が亡くなった時、残された子どもは大変です。

また、介護のために離職をする人もありますが、当然、自分が受け取る年金は少なくなり、孤立感や不安感を抱えている人が大変多いと言われています。

 

 

私達は、どこへ向かって生きるのか

これには社会問題や法制度等、解決しなければならない問題も多いと思います。

仏教では悩みや苦労の絶えない人生を、海に例えて「難度海」と言われます。「難度」とは苦しいということです。

ちょうど、海に放り出されたら一生懸命泳がなければならないように、生まれたら一生懸命生きなければなりません。

しかし、人生という海を、私達はどこへ向かって泳いだらいいのでしょうか?

もしも、まったく方角がわからないまま、むやみやたらに泳いだら、やがて疲れ果ててしまいます。

就職できた、結婚できた、子どもが生まれた、退職金が出たとホッと一息ついても、やがて転職、事故、病気など次から次へと悩みや苦しみの波がやってきます。

では、私達は苦しむために生まれ、生きているのかというと、そうではありません。

悩みや苦しみの波の絶えない人生にあって「生まれてきて良かった」という絶対の幸福になることが生きる目的・生きる方角であることを教えられたのが仏教です。

生きる目的がはっきりわかれば、日々のすべてが意味が持ち、心から充実した人生となります。仕事がうまくいかなくても、人間関係に落ち込んでも、生きる力が湧いてきます。

仏教に教えられた生きる方角を知って、種々の困難も乗り越えていきたいと思います。